肘の痛みのメカニズム

野球選手やスポーツ選手で肘の痛みで悩んでいる人はけっこう多いと思います。なかには大がかりな手術をしなければならないケースもあり、多くの選手が悩まされています。

しかし、多くの肘の痛みは肘には原因がなく、そのほとんどが首が原因となっていると私は考えます。

なぜ首なのか。

現代っ子はスマホ姿勢などに代表されるように猫背になっているケースが多く、顔、首が前に出て、アゴが上がり、肩、背中、腰が丸くなるので、結果的に腕が上がりにくくなり、肘が下がったフォームになります。

肘が下がったフォームで動作を繰り返せば、当然肘に負担がかかってしまいます。

そしてさらに問題なのは、フォーム的な問題だけでなく、体の緊張やこわばりが肘に影響してきます。

首が前に出た姿勢というのは、首が縮こまっている状態となり、イメージ的には亀を驚かすと甲羅の中に首を引っ込めた状態になりますが、それと同じように首が短くなり、背が低くなったような姿勢になります。

首には自律神経をコントロールしている中枢があるので、首が縮こまった状態でいると、必然的に手足も力み、こわばった状態になります。

腕というのは本来ムチのように力みなく、しなやかにしなってくれたら理想的なのですが、腕がこわばってしまうと、腕も曲がろうとし、縮こまった状態のままで投げようとします。

ムチのようにしなっている時は、アクセルだけを踏んで車を走らせているような状態ですが、ブレーキとアクセルを同時に踏みながら進もうとするのと同じような状態になります。当然そうなれば車も故障してしまいますよね。

「投げたいんだけど投げたくない」「腕を振りたいんだけど振りたくない」「腕を伸ばしたいんだけど伸ばしたくない」といったような動き方になります。

そうなると、肘はどうなるかというと、関節が慢性的に曲がった状態となり、肘の内部で炎症が起きやすくなり、靭帯や軟骨組織に影響が出てしまいます。

そして、痛みが出てきてしまうと、痛みをかばうために余計に腕に力が入ってしまい、それをかばって使おうとするので、またさらに縮こまろうとする・・・といったような負の連鎖に陥ってしまい、どんどん痛みが増幅していきます。

したがって、
①痛みが出ればかばって投げないよう無理をしないこと。
②猫背の姿勢を正すこと。(首を正しく伸ばすこと)
③首の奥の緊張、こわばりを緩め、力の抜けた腕振りができるようにする。
ということが重要になってきます。

整形外科や整骨院では、肘しか診ないという所が多いとは思いますが、体全体のメカニズムとして、肘を捉えることが重要になってきます。

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