スポーツ選手が患う症状なのですが、どこが痛いというものではなく、野球選手などが投球しようとする時思ったところにボールが投げられなくなり、指先に極端に引っかかってワンバウンドしてしまったり、ボールが手にフィットせず高い所に抜けていってしまったりします。
原因として考えられるのは、指導者に動作を修正されすぎたり、頭で考えすぎたりして過剰に意識した結果、動作がぎこちなくなって自然な動作ができなくなっていきます。
私がこういう選手を治療する時に思うのは、車でいうところのアクセルとブレーキを両方踏み込みながら前に進もうとしているような状態になっているように感じます。
動作をしようとするアクセルと、うまく投げないといけないという心的プレッシャーからのブレーキで、体が縮こまった状態で動作をしようとしています。
実はたいていの場合本人は自分自身にブレーキがかかっていることに気づいていません。
だから「ブレーキペダルを踏んでいるから足を離せ!」と指導者が言っても本人はどうすることもできません。(離そうと思って離せるならここまでの症状にはなっていません)
治療で、まず頭部・頸部が緊張感(ブレーキ)でガチガチになってしまっているので、体の中のブレーキの要素を取り除いていきます。
治療がうまくいけば、治療後本人は想像以上の体の軽さに驚きます。
「自分は気づいてなかっただけで、すごい重みを背負っていたんだ・・・」
ということに初めて気づかされます。
この段階にまでいけば、あとは頭ではなく、体の感覚が動作をリードしていきます。
昔に比べて、こういった心の病をもつ選手が多くなったように感じる今日この頃です(^^;)