トレーニング論

決められた動きを自分のイメージの範囲内で繰り返し、型を作る練習がありますが、それだけでトレーニングが終わってしまっているケースがよくあります。

例えばウエイトトレーニングなど、頭で一度作ったイメージの中で動作を繰り返します。すると体はイメージの範囲内でしか動こうとしません。

自分のパフォーマンスの可能性を拡げるためにも、自分の想像を超えた動き、予想外、想定外、不意を突かれた動きを引き出すことがトレーニングの醍醐味ではないでしょうか。

止まっているボールを打つゴルフなら、自分のタイミング、リズム、イメージの中である程度プレーできるかもしれません。

しかし野球など対戦相手がいるのがほとんどスポーツであり、自分のスイングをいくら完璧に仕上げても、投手の鋭い変化球でタイミングを崩されればバットは空を切ってしまう。
「基礎体力はスゴいのに、なんで試合になると・・・」というのは正にこのタイプです。

例えば走るというトレーニングにおいても、ただ真っ直ぐ走ることだけが走るではなく、少し条件を変えることで走り方そのものの質が変わってきます。

例えば、走りながら不規則に転がるラグビーボールをキャッチするトレーニングなんかは凄く良いと思います。

想定外の動きに対応しながら、スピードを緩めずキャッチする。自分の想像を超えた動きにトライすることができます。

そして、ケガをする選手の大きな特徴として、決められた動きしかやってこなかった選手に非常に多いのも事実で、型にはまったことしかやってこなかった影響で、少し条件が変わっただけで対応しきれず、捻挫や肉離れをおこしてしまうケースがよくあります。

野球ほど運動量が少なく、接触プレーも少ないのにケガの多いスポーツも珍しく、型にこだわりすぎて同じ関節や筋肉にばかり負荷がかかり過ぎているのも可能性として考えられます。

大海原の荒波の中で、漁師さんが足を踏ん張りながら網を手繰り寄せるような動きはウェイトトレーニングでは身につきません。
現代っ子が最も苦手とする動きだと思います。

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