ボキボキ系の治療について。

最近強い刺激で行う治療を目にする機会がありました。

関節をボキボキっと鳴らしたり、筋肉の硬いところをグリグリ揉んだりしていました。

一見とても分かりやすい治療で、治療をされる側にとっても「やってもらってる感」に満たされていて、たとえそれで痛みが取れなくても、満足感でカバーできるような治療法だと思います。

とくに私が関わっている野球選手などは、そういった強い刺激を求める傾向が強いように思います。

しかし、私がそのような治療風景を観察していて率直に感じたことは、硬い部分に対してどうも敵対するかのごとく、一方的な緩め方をしているように感じました。

筋肉の硬い部分をグリグリやって、ほぐそうとしていることが、力づくというか、無理やり型にはめ込もうとしているように見えました。

例え方は卑猥かもしれませんが、例えば女の子を口説いて、自分の家に誘いたいとします。
本当に口説き上手の男は、女の子が自ら心の扉を開いて、自ら進んで家に行きたいと思わせるよう導いていくことが、本当の口説き上手だと思うのですが、下手な男は、無理やり強引に女の子が嫌がっているのに手を引っ張って、家に連れて行こうとします。

例え方は卑猥ですが、グリグリ、ボキボキやる治療は、後者と似ているように感じました。

『女の子が自ら心を開いて進みだす=自分から緊張を解いて緩みだしていく』ように導くことが、治療家としての醍醐味だと思うのです。

そうでないと、無理やり強引に押し込めたような治療は、その時は一時的に良くても、本人が自ら緩んだものではないので、型に押し込められたストレスは増幅していき、痛みがぶり返したり、習慣性のものになってしまったりして、本質的に改善することは少ないように思うのです。

それを証拠に、特に首をボキボキやられている人は、首がむち打ちのような慢性疲労というか、慢性こわばりのような状態になっていることがよくあります。

確かに、私のやっている治療は一見何されているかわからない治療ではありますが、本質的に患者さんや選手が、自分自身の体を自分の力で緩ませていけるよう導いていっているという自負があります。

これからもさらに治療の本質に近づけるよう努力していきたいと思っています。

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