- 先日、膠原病だと診断のあった女性の方の施術を行いました。
膠原病とは、自己の免疫疾患で、全身の皮膚や関節、筋肉などに炎症が起き、原因不明とされている病気で、リウマチのようなこわばりの症状が出ます。
病理学的には、原因が不明とされていますが、私が拝見させていただいたかぎりでは、改善の余地は十分あるように感じました。
推測ですが、自律神経のバランスの崩れが大きく関与しているのではないかと思います。
このこわばりという症状も、体の力が入りすぎて抜けなくなった状態、すなわち、交感神経が優位に働き、副交感神経がきちんと機能していない状態だと思います。
この方の主訴は、首筋や肩の痛み、下肢の痛み、あと少しだけ指がこわばり、口がよく渇くということでした。
実際お体を拝見させていただくと、副交感神経が関与している後頭部や首、仙骨部にかなりの緊張があり、それをじっくり慎重に緩めていきました。
途中興味深かったのは、体が無意識に震えだしてきたことです。
ご本人さんも、「どうして勝手に震えているの?!」とおしゃっていたのですが、これはおそらく交感神経から副交感神経にスイッチが切り替わるときに起きる症状なように思います。よく学生時代に授業中居眠りをしていて、ビクッと体が反応して机を蹴飛ばす光景を見たことがあったと思うのですが、睡眠状態と起きている状態のちょうどはざ間にいるような、自律神経が切り替わる瞬間に、無意識的に体が震えたり動いたりするということが起きるのではないかと思います。
そして、一通りの施術が終わって一度ベッドに腰掛けていただいた段階で、首肩の症状はほとんど軽減し、口内が潤い、シーツによだれの痕が残っていました。
私は、肩こりや腰痛なども自律神経のバランスの崩れが大きく関与していると思うのですが、こういった膠原病の場合でも、症状を抑える薬を飲むこと以上に、自分の力で力を抜けるようにしていってあげることで、体のこわばりが無くなり、自然と治癒につながっていくように感じます。
人間の「治す力」というものを存分に発揮できるようにしてあげることが、今回の症例を通じて改めて重要であると気づかされた気がします。