私が感じたモトクロス界の課題②

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、昨年の前回の投稿では、モトクロスのライダーが体に装着できるようなエアバッグをなんとか実現させたいといった話をしましたが、今回はそういった長期の目標ではなく、直近の目標を掲げます。

 

ズバリ、モトクロス界でも他の競技と同じように「練習試合」を開催することができないものかと考えています。

 

なぜそう思うのか、

①どんなスポーツでも練習試合をしている

 

たいていのスポーツの場合、普段の練習があって、練習試合があって、試合(大会)という流れになりますが、モトクロスの場合、練習(テスト)をやったら次はぶっつけ本番で試合(レース)となります。

当然、練習の中にはマシンの開発テストというのがありますので、それに時間を費やさないといけない制限があったり、企業間、選手間で手の内を明かしたくないというのも練習試合を率先して行ってこなかった理由としてあると思うのですが、実際のレースでの走り方を考えると、単独で独走できるケースはほとんどなく、先頭以外はルースト(砂埃、土煙)を浴びながら走り、他者と駆け引きをしながら難しいラインを選択しながら走らないといけなくなります。そういったレースの過酷な状況を鑑みると、むしろフリー走行で得られたデータよりも本番を想定した練習試合のほうが良いデータが得られると思うのです。

 

②スポーツ選手あるある「練習では良いのに試合になると…」対策

 

これはスポーツ界あるあるですが、練習では自分のペースでノビノビいい走りができるのに、いざ試合になると緊張や硬さがみられて動きが別物になってしまうケースがよくあります。

普段から練習のための練習を行っていて、試合のための練習を行っていない証拠だと思うのです。

そういった選手をなくしていくためにも、試合に近い練習試合の存在は有意義であると考えます。

 

③日本でのレース開催の少なさ(経験の少なさ)を補う

 

アメリカで行われるレースの場合、シーズンに入るとだいたい週に一回のペースで行われますが、日本の場合平均すると月に一回程度になります。そうするとやはり実戦経験の少なさが際立ちます。そこを補填する意味でもテスト中に練習試合を行えば、単純計算で今までの2倍の量の実戦経験が得ることができます。

 

④下田丈選手の言葉

 

昨年アメリカで活躍している下田丈という選手が日本のレースにスポット参戦した時に話す機会があり、私から「日本のライダー見て率直にどう感じます?」と聞いたところ、「練習走行では皆いい走りしているなと思ったのですが、レースになると皆走りが硬くなりますね」と話してくれました。やはりアメリカと違って日本の実戦経験の少なさが大きいと思うのですが、現状日本で大会数を海外並みに増やすことは不可能です。少しでも穴埋めするとなると、練習試合の存在は大きいように思います。

 

⑤実際どのように実施する?

 

では、その練習試合をいつどこでやるかですが、だいたいそれぞれの大会の2週間くらい前に、三社(カワサキ、ホンダ、ヤマハ)で合同テストというのが行われます。

現状では各社のライダーが自分たちのペースで一日数本走るのですが、そこで例えば、「13:30〜14:00と15:00〜15:30に練習試合を行います」というふうにタイムススケジュールに入れておきます。

フリーで走行をしたい選手はそれ以外の時間を利用します。

エントリーは強制ではありませんし、途中でリタイアしたりレースに再度復帰することも自由です。

できれば250ccクラスも450ccクラスも分け隔てなく、混合で行えると若手にとってもベテランにとっても刺激となると思います。

レース同様にスタートゲートに入って一斉にスタートし、時間通り30分+1周を行います。

「レース前にケガの心配が…」という声が聞こえてきそうですが、そこはあくまで練習試合なので、お互いガチンコの削り合いはないでしょうし、実戦経験を頻繁に積むことがケガのしない身のこなし、アクシデントを回避する能力を身につけていくことにも繋がると思います。

 

以上のような理由から、少しでも日本のモトクロス界が切磋琢磨し、世界レベルに近づくことが何より重要ポイントだと思います。

なぜ世界に近づくことが重要なのか。

野球に詳しくない方でも、世界最高峰の大リーグで活躍する大谷翔平選手のことは皆知っていると思います。

しかし巨人の四番バッター誰だか分かりますか?野球に詳しくないと名前なんて出てきませんよね。(答え:岡本和真)

サッカーW杯しかり、誰がワールドカップ始まる前にメンバー11人の名前言えましたか?今なら言えますよね。なぜならドイツやスペインに勝って世界レベルに到達したからです。

結局のところ、いくら日本国内で活躍していても特定のファンしか知らないのです。世界最高峰の舞台で日本人選手が活躍できてこそマスコミやネットでも取り上げられ、トップダウンで認知度が上がり、モトクロスを全く知らなかった人たちの耳にも届かせることができるのだと思います。

世界の舞台を意識しつつ近づいていくためにも、日本国内で各社各選手がお互い切磋琢磨し合うことはとても重要なことだと思います。

練習試合の導入はその一助になりえるのではないかと思っています。

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